前ボケで商品写真に奥行きやニュアンスをプラス
商品撮影をしている際に、モデルや商品の魅力をいまひとつ引き出しきれていないと感じて悩んでしまうことがあるでしょう。
そんなときに試してみると良いのが、前ボケというテクニックです。
ボケとは、写り込んでいる物にカメラのピントが合っておらず、ぼやけて見えることを指します。
そして、魅力的に見せたい被写体よりもカメラに近い側でボケを発生させることを前ボケと呼ぶのです。
前ボケを生じさせるメリットとしてはまず、写真に奥行きが生まれることが挙げられます。
見せたい商品やモデルよりも前に写り込んでいる物があると、近距離と中距離という2つの距離が生まれるため、写真の中に空間が広がっているように感じさせることが可能になるのです。
微妙なニュアンスを加えられることも前ボケのメリットとして挙げられます。
ぼやけた物は輪郭がふんわりと曖昧になるので、前ボケがあることで写真全体までふんわりと柔らかな雰囲気になったり、曖昧で神秘的な雰囲気になったりするのです。
前ボケを生じさせるためには、F値を小さくして、ぼやけさせたい物のすぐ近くにカメラを設置することになります。
F値をどれだけ小さくするか、どれだけカメラを寄らせるかによってボケ具合が変わってくるので、色々と試してベストな値や距離を見つけるといいでしょう。
また、あくまでも前ボケは被写体の魅力を引き出すために生じさせるものですから、商品やモデルよりも前ボケの方が目立ってしまってはなりません。
手前に置く物の目立ち具合に注意して、位置などを調整しながら商品撮影をすることが大切です。